秋田犬について

秋田犬(あきたいぬ)は、秋田県原産の日本犬の一種で、日本犬種のうち、唯一の大型犬種です。又、国の天然記念物に指定されています。

 

日本犬は、6つの犬種があり、すべて天然記念物。
犬種    型  天然記念物への指定年月日


あきたいぬ
秋田犬  大型 1931年(昭和 06年)07月31日

かいけん
甲斐犬  中型 1934年(昭和 09年)01月22日

きしゅうけん
紀州犬  中型 1934年(昭和 09年)05月01日

しばいぬ
柴犬   小型 1936年(昭和 11年)12月16日

とさけん
土佐犬  中型 1937年(昭和 12年)06月15日
しこくいぬ
四国犬に改名

ほっかいどうけん
北海道犬 中型 1937年(昭和 12年)12月21日

秋田犬とは

秋田犬標準(審査基準)

1.本質とその表現
 沈毅にして威厳を備え悍威に富み、忠順にして素朴の感あり、地味な中に品位を持ち、感覚鋭敏にして、挙措重厚敏活共に備う。

1.外貌
 体躯均斉を得、骨格頑丈緊密にして筋、腱、靭共に発達し、皮膚弛緩なく牡牝の表示判然とし、牡は体高体長の比100対110に対して牝は牡より体高に比して体長稍長とし、体高牡66.7糎(2尺2寸)、牝60.6糎(2尺)とし上下各3.03糎(1寸)迄を可とす。体高胸深の比を略2対1とす。

1.頸
 頸部太く逞しく、皮膚弛緩なく適度に起立す。

1.頭
 頭骨大にして頭蓋の頂き稍平、額広く、皺なく、明らかなる縦溝と適度の落ち込みあり頬部良く発達し張る。

1.耳
 稍小さく厚く三角形にして適度に前傾し、耳線直にして緊乎として立ち、耳の間隔は適当なる広さを有す。

1.眼
 稍三角形にして深く、外眦上り虹彩濃茶褐色を呈し、眼は適度の間隔を有す。

1.口吻、鼻
 鼻梁直にして、吻充実し、基は太く先は細く尖らず、鼻鏡緊り唇良く引緊る。

1.歯牙
歯牙強靱にして、咬み合わせ正しい。

1.胸腹
 胸深くして肋骨良く張り、前胸発達し、腹部適度に引緊る。

1.背腰
 背線直にして、腰強靱なり。

1.前肢
 前肢は肩胛上膊適度なる角度を持ち良く発達し、肘付良く、前膊直にして太く強く、繋少しく傾斜し、趾円く大きく、厚味を有し緊握す。

1.後肢
 後肢は良く発達し、強靱にして力強く踏張り、飛節適度の角度を持ち、弾捷力に富み、趾厚味を有し緊握す。

1.尾
 太く力強く巻き、長さは略飛節迄とし、巻型は左巻、右巻、太鼓巻、二重巻とす。

1.被毛
 毛剛直にして、下に綿毛密生し、キ甲部、臀部称長く、尾毛他部より長し。

1.毛色
 白、黒、赤、胡麻、虎、斑。

 

減点
1.後天的損傷及び著しく栄養管理不良のもの。
1.秋田犬として好ましからざる毛色。
1.体色に副わぬ虹彩著しく淡きもの。
1.欠歯、乱歯及び切端咬合。
1.舌斑。
1.特に性質軟弱なもの(臆病、軽佻等)及び凶暴性のもの。
1.その他秋田犬として特徴乏しきもの。

 

失格
1.先天的に耳立たざるもの。
1.先天的に尾巻かざるもの。
1.先天的に著しく短毛及び長毛。
1.著しく下顎突出及び下顎後退し、噛み合せ不正なもの。
1.体色に副わざる鼻色(白は赤鼻を許容す)
1.陰睾。
1.その他秋田犬の特徴を欠くもの。

 

審査
 以上が、秋保の標準である。この標準がいわば憲法の如もので審査の基本となる。細かい審査方針は別に審査部会で決定する。

 本質的に良い犬が、部分的に外貌、体型が良くなかったりして、犬の本質と展覧会の成績は、必ずしも一致しない場合がある。本質と順位とが一致するのが理想であり、そうなるべきであるが、実際は犬のコンディション、リング態度等により、総合的に判定するからである。

 いくら良い犬でも、病気、毛替期、又、管理の悪いときは、その持てる本質を充分発揮し得ないし、本質的に悪い犬は、いくら最良のコンディションでも、その本質をかくし得ないので、成績の上位を占めることができない。

 秋田犬は、昔から3年ならぬと本当の完成美が見られないといわれる。その頃から渋味のある古武士的風貌を呈する。幼犬、若犬時代良くとも、壮犬、成犬になるにしたがって悪くなる犬があるが、成犬になるにしたがって良くなる犬は本質の良い犬である。

 しかし、幼犬時代から成犬時代まで一貫した良さを発揮するのが本当に優れた犬である。評価は、特優、優秀、準優、認定、失格の5段階である。本部展で、秋田犬の最高級の犬には「秋保名誉章」を授与する。

 

結び
 以上、秋田犬に付いて概略説明したが、現在の統計によると、我国の蓄犬数の僅か4~5%が純粋犬と言われ、そのうち、また、何%かが秋田犬の数と思う。雑種犬を排し純粋で優秀な秋田犬を奨励、益々その向上を期し、将来世界の蓄犬界に進出しなければならない。

 

「秋田犬の里」ホームページより

 https://akitainunosato.jp/

秋田犬の特徴

秋田犬の特徴

◆秋田犬は
日本犬のなかで唯一の大型犬!

◆秋田犬の大きさ
体の高さが60~70㎝程度。
体重が35~50キロ程度。

◆秋田犬の耳
三角の厚い立ち耳で前を向いている。

◆秋田犬のストップ(額段)
ストップは中間。
浅い:コリー、グレーハウンド
深い:ブルドッグ

◆秋田犬の目
アーモンドのような、ツリ目。

◆秋田犬の鼻
鼻は黒に限りますが、
白犬は肉色でも許される。

◆秋田犬のマズル(鼻口部)
マズルの長さは中くらい。
先がとがっていないこと。

◆秋田犬の尾
巻き尾が特徴。
太く力強く巻き、
巻型は左巻・右巻・太鼓巻・二重巻。

◆秋田犬の毛
ダブルコート:2重構造。
上毛(オーバーコート)
下毛(アンダーコート)体を寒さから守る。

◆秋田犬の毛色
赤・虎(ブリンドル)・白・胡麻。
白以外の毛色は「裏白」
裏白:体の下を向いている部分や手足の先などが白。

JKCでは

5G:原始的な犬・スピッツ

スピッツ & プリミティブ・タイプ
日本犬を含む、スピッツ(尖ったの意)系の犬

 

秋田 - AKITA
原産地:日本
用 途:家庭犬
性 格:性質は沈着、忠実、従順で、感覚鋭敏である。
毛 色:赤、虎、白、胡麻。白以外の毛色は「裏白」でなければらない。
サイズ:体高 牡:67cm 牝:61cm。それぞれ上下各3cmまでとする。
外 貌:骨格頑丈で体躯の均整のよい重厚味を有する大型犬で、性相は顕著で素朴感があり、高い品位と威厳を有し、堅い体質をしている。
沿 革:古来秋田地方には秋田マタギ犬(熊猟犬)がおり、1868年以降は秋田マタギと土佐やマスティフとの交雑が行われ、より大型化したがスピッツタイプの特徴は失われた。
1919年に天然記念物保存法が発令され、保存運動がおこり、秋田は大型日本犬として改良保存が図られ、その結果、1931年に9頭の優秀犬が天然記念物として指定を受けた。 しかし第2次世界大戦(1939-1945年)中は軍用の防寒衣料として犬の毛皮を使用することとなり軍用犬のジャーマン・シェパード・ドッグ以外の犬には捕獲命令が出されたので、その捕獲を逃れる目的で秋田にジャーマン・シェパード・ドッグを交配した為、益々、交雑が進んでしまった。
終戦(1945年)後の秋田の状況は、数は激減し、タイプも混迷を呈していた。心ある犬識者たちはマタギ秋田タイプの犬たちを繁殖に使って外来犬の特質を 除去することに努め、今日の大型犬種として固定化した。


アメリカン・アキタ - AMERICAN AKITA
原産地:日本
用 途:コンパニオン・ドッグ
性 格:優しく人なつこい。機敏で反応がよく威厳があり、従順かつ勇敢である。
毛 色:レッド、フォーン、ホワイトなどのさまざまな色。さらにはピントーやブリンドルも存在する。色は精彩を放ち、鮮明であり、マスク又はブレーズのあるなしにかかわらず、マーキング(斑)はバランスがとれている。毛色がホワイトの犬(単色)にはマスクはなし。ピントーは地が白で、頭部及びボディの1/3以上に均等で大きなパッチ(斑)がある。下毛と上毛と色が違うことがある。
サイズ:体高 牡:66~71cm 牝:61~66cm
外 貌:がっしりとした骨太の体躯で、均整がとれ重厚味があり、骨に重量感がある大型犬である。頭部は広く、やや三角形に近い。マズルは深く、目は比較的小さい。直立耳は前傾し、顎の後部のラインに連なっており、本犬種の特徴となっている。
沿 革:アメリカン・アキタの当初の歴史は秋田の歴史と全く同一である。秋田地方では1603年以降、秋田マタギ犬(中型・熊猟犬)が闘犬用の犬として用いられた。1868年以降は秋田マタギと土佐(四国にドイツ・ポインター、セント・バーナード、グレート・デーンを交雑させて作出)やマスティフとの交雑が行われ、大型化したがスピッツ・タイプの特徴は失われた。
1908年に闘犬禁止令が出されたが、大型日本犬として改良保存が図られ、その結果、1931年に9頭の優秀犬が天然記念物の指定を受けた。しかし、第2次世界大戦(1939年~1945年)中は軍用犬のジャーマン・シェパード・ドッグ以外の犬には捕獲命令が出されたので、その捕獲を逃れる目的で秋田にジャーマン・シェパード・ドッグを交配した為に、益々、交雑が進んでしまった。終戦(1945年)後の秋田の状況は、数は激減し、タイプも1.マタギ秋田、2.闘犬秋田、3.シェパード秋田の異なる3タイプが存在し、混迷を呈していた。
まず、終戦(1945年)後の秋田復活発展の過程においては出羽系の金剛号が一時的ではあるが全盛となり、占領軍として日本に進駐した関係者たちが、マスティフやジャーマン・シェパード・ドッグが色濃く残る出羽系のタイプのものを多数アメリカに持ち帰った。賢く異なる環境に適応する能力を持つこの系統はアメリカ国内の繁殖者を魅了し、繁殖者の数も人気も共に上昇し、発展していった。
アキタ・クラブ・オブ・アメリカは1956年に設立され、1972年10月にはこの犬種のアメリカン・ケネル・クラブ(AKC)の犬籍簿への登録及びショーへの出陳が許可される正規の地位が認められた。しかし、この年代AKCはJKC(ジャパン・ケネル・クラブ)との血統証書の相互承認がなされていなかった為、日本からの新しい血液の交流を図る事が出来ず、1955年頃の犬質、タイプのまま固定化され、同年代に原産国日本でのマタギ秋田を使っての改良繁殖とは異なった道を歩み、アメリカ独自のタイプとして発展した。

 ジャパンケンネルクラブ ホームページより

https://www.jkc.or.jp/